Column

2019年12月9日 えごまで話題の石井農園などが集結!福島県下50以上もの農家が集まる、里山ガーデンファームとは?

個性豊かな50名以上の生産者が集う

えごまで話題の浪江出身の石井さんが営む「石井農園」、一切農薬を使わないコンテスト一位のお米、いわき市の「安島農園」、粒の大きく味の濃い納豆を作る川俣町の「山木屋」・・・

食べずとも文字を見るだけで味を想像したくなる、個性豊かな農産物や加工品たち。
それらが集まっているプラットフォームが、福島県下50以上もの農家から成る「里山ガーデンファーム」。
集荷センターなどを介さず通販サイト上で生産者から直接購入できるだけでなく、生産者に会いに行って実際に農業の体験をすることもできるのです。

この記事ではそんな個性豊かな農家の中でもひときわ真摯に挑戦を続ける「石井農園」の石井さんに注目しました。

65年過ごした浪江を離れて

石井農園の石井さんのふるさとは、福島県浪江町。海と山に囲まれていた穏やかな町は、震災後原発事故により帰宅困難地域となってしまいました。そんな石井さんが、今特に力を入れて生産しているのがえごまなのです。

シソ科の植物であるえごまは、別名じゅうねんとも呼ばれています。
それは食べると十年長生きできるという謂れから。古くは縄文時代から健康食材として日本人の身近にあったと言われています。

主な栄養素としては現代人の食生活に不足しがちなオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)が豊富に含まれ、「美肌効果」「血管を強く、しなやかに若返らせる効果」「認知症予防効果(脳細胞の活性化)」などの効果が見込まれるというスーパーフード。

特に石井さんが作るえごまは、農薬や化学肥料を使っておらず、小さな機械と手作業を使ってデリケートなえごまを大切に扱い、乾燥し、ドレッシングやオイル、ジャムや餅などに加工されていきます。
その香ばしく生命力に溢れた香りは、地元民のみならず日本中の人を魅了しており、魅力的な加工品作りは日々続いています。

どうせ作るなら、みんなの健康にいいものを

えごまの他にも、九重栗かぼちゃを使ったかぼちゃ饅頭を開発し販売する石井さん。
その名の通りまるで栗のようにしっとりと甘く、鮮やかな黄色の実が特徴の九重栗かぼちゃを使ったこのおやつは、石井さんの義理のお母さまが浪江で作っていたもので、石井さんの思い出のレシピでもあります。

「えごまも、かぼちゃ饅頭も、どうせ作るならみんなの健康にいいものを作りたい」

と話す石井さん。原発事故を経験した福島だからこそ、安全性には人一倍気を使い、誇りをもって商品を出荷しているのです。
浪江という不可抗力の事故に巻き込まれ複雑な事情を抱えてしまった町。
それでも石井さんは常に笑顔で、力強く語ります。

「もう浪江の話をしたくないっていう人もいるけど、それでは浪江が本当に無くなってしまう。えごまを育てて、いつか浪江に戻って道の駅で商品を売るんだよ、って皆に夢を与えたい」

そんな石井さんの作る農産物や加工品は、その人となりの通り上品でありながら強く、まっすぐな味。
是非里山ガーデンファームのWEBショップから、福島の農家たちの力強さに触れてみてください。

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